ジャンル|ミステリー・サスペンス・写真/コラージュ・ホラー

虚談

京極夏彦 (KADOKAWA)

「新しい京極作品」という印象を打ち出すため。シリーズ既存作とは装幀をがらりと変更することに。「嘘」を想起させるイメージとしてどのようなものが最適か、まずは写真案・イラスト案などさまざまな角度から検討した結果、こちらの案が採用となりました。
最終章よりインスピレーションを受け、写真に写る男(=自分)が消えてしまいそうな空しさ、切なさを表現。実はこの男、章の数に合わせて9人分の写真を重ねたもの。あえて何者かわからない曖昧な人物の肖像とすることで、名状しがたい虚ろさが立ち上ってくるようなビジュアルになりました。また、タイトルに銀箔を使用したことで、角度によってはタイトルが消えたように見え、それもまた「虚」のイメージを補強しています。
本文フォーマットの作成、目次や章扉のデザインも担当。章扉には、京極先生のご希望でその章の内容に沿った日常の一コマのような写真を使用。その他にも見返し印刷など随所に写真を盛り込んだ一冊となりました。