ジャンル|ミステリー・サスペンス・写真/コラージュ・恋愛

サナキの森

彩藤アザミ (新潮社)

第1回新潮ミステリー大賞受賞作。軽やかに過去と現在、そして次元までも行き来する新感覚のミステリ。
装幀は、忘れられていた1冊の本が開かれたことで、封印が解かれるように、閉じこめられていた物語が動き出すイメージです。片翅の黒い蝶は、タイトルにもなっている「サナキ」(左半身のない女の妖怪)の見立て。ないはずの半身に物語が吸い込まれていくようです。
表4や別丁扉に用いた柘榴もまた、サナキの見立てでした。「半身」をおもわせるような目を惹くものを象徴的なアイコンとして使用したい、というオーダーの元、いくつかの見立てを試した結果、この二案が最後まで残りました。