ジャンル|イラスト・ノンフィクション

いしぶみ

広島テレビ放送・編 (ポプラ社)

装画は柳智之さん。
1970年に出版された広島の原爆にまつわるノンフィクションのリバイバル。元は児童書として出版されたそうなのですが、戦後70年を迎えるにあたり、大人向けの書籍に一新。とは言え、大人にも子どもにも分け隔てなく手に取ってもらいやすく、次の50年を生き延びる本にしたい、というオーダーをいただきました。
写真を使う案も検討しましたが、過度にドライにもウェットにも触れず、懐かしさ・寂しさがありつつもどことなく風格もある絵を描かれる柳智之さんに装画をご依頼。あえて色は排除し、広島の過去を想起させるような象徴としての原爆ドームを線だけのシンプルな形でお描きいただき、そこに箔を重ねました。風合いのある厚手の用紙に箔を押すことで線の凹みを再現し、まさにタイトルの「いしぶみ」的な、物理的に記憶を刻み込んだ痕跡のようになることを目指しました。
本扉や見返しには実際の慰霊碑の写真を使用。繰り返してはならない悲劇をわかりやすく伝えています。
本文フォーマットや目次など付物関連のデザインも担当しております。全体的に格調高く仕上がりました。